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『オペラ座の怪人』はミュージカルでありながらオペラのようでもあります。

ミュージカルとオペラに違いがあるとは考えていません。

「私は『オペラ座の怪人』をオペラの作風で作曲していますし、またオペラとして上演されている作品もあります。オペラとミュージカルの間にはっきりした境界線はないと思います。オペラであっても『ラ・ボエーム』のように大衆に人気のある作品はミュージカルと言われることもありますし、その違いは曖昧なものでしょう。例えば、『オペラ座の怪人』のオーケストラパートだけを取り出してオペラとして上演したら、そのままオペラとして成り立つと思いますよ。

『オペラ座の怪人』では、最後にこれまで聴いてきたメロディーが繰り返されることでより大きな感動がありますね。

この話題は2時間でも話していられますが、手短に要約しましょう。
どんな作曲家、オペラ作家も、メロディーを物語の上でもっとも適切な場所に入れていきます。まず、作品には筋書きという核があり、曲のどこかでテーマを確立させなければなりません。その一方で、別の個所で今度は感情表現をする場を設けようとします。これは、作曲家であれば誰もが苦心していることだと思います。
前に出てきたメロディーを繰り返し使うという方法は、作曲家が感情表現をしたい場合に使う方法です。『オペラ座の怪人』の最後の15分は、その良い例だと思います。これまで聴いたメロディー、馴染みのある旋律を最後に再び持ち込むことによって、聴衆を心地良い境地へと導くのです。

『オペラ座の怪人』は日本でも劇団四季が長く演じてきました。四季ヴァージョンについてどうお感じですか?

日本で初めて観たときは、素晴らしい夜を過ごしました。

素晴らしいキャストと、美しく華麗なプロダクションに大変感動しました。だいぶ前になりますが、今振り返ってもその感激が甦ってきます。日本で『オペラ座の怪人』がとても長い間愛され続けていることに、心から感謝しています。

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