世界でもっとも多くの人が観た、世紀のミュージカル『オペラ座の怪人』。その音楽は、ミュージカルでありながらオペラのようでもあり、他に類をみない独創的な世界を作り出します。
愛と死、熱情と背徳――アンドリュー・ロイド=ウェバーの狂おしくも優美なメロディーと巧みなリプライズによって、螺旋を描きながら結末へと昇華していく愛憎の糸。ここでは、その罪深き愛の迷宮を照らす珠玉のナンバーのほんの一部をご紹介します。
カルロッタの代役として新作オペラ「ハンニバル」のプリマドンナに抜擢されたクリスティーヌ。彼女は、“音楽の天使”と呼ばれるにふさわしい透き通った歌声でこのアリアを歌い上げ、大観衆を魅了します。
その中には、オペラ座の新スポンサーとなった幼なじみのラウル子爵の姿も。感動の再会を果たす二人。しかし、美しいアリアが導いた幸福な出会いは、逃れられぬ愛憎劇の序曲にすぎなかったのです。
きらびやかな舞台の地下で、迷宮に潜む“オペラ座の怪人”の影が怪しく揺らめき始めていました……。
強烈なインパクトで一度聴いたら忘れられない、このミュージカルを象徴するナンバー。未見の人でも誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
冒頭のパイプオルガンの旋律は、まさしくこれから始まる惨劇を予感させ、戦慄を走らせます。
怪人に誘われ地下迷宮へと降りていくクリスティーヌ。彼女の才能を誰よりも知り、誰よりも彼女を愛するオペラ座の怪人。
二人だけのオペラの幕が上がり、地底湖にクリスティーヌの天使の歌声がこだまします。
しかし、それ以上に私たちを驚かせるのは、初めて耳にする怪人の妖しく酔わせる妙なる美声。
芸術の神が巡り合せた宿命か――昂ぶる怪人に衝き動かされ、クリスティーヌは限界を超えてその才能を開花させるのです。
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