スカーが王となったプライドランドから、旅立つことを決意したナラ。
けれど、美しい大地は枯れたとしても、生まれ育ち、家族のいるこの土地を離れることは、ナラにとって辛く悲しい出来事です。薄暗闇に覆われた草原で、行くあてのない旅路に出るナラの張り裂けそうな胸の内が冷たい空気を震わせると、その背中を母や姉妹たちが優しく後押しします。
スポットライトに照らし出され、しなやかに駆け巡るナラ。その身のこなしは、もうすっかり大人のメスライオンのものです。そして、ラフィキも、旅立つナラを祝福します。
まだ王の自覚に目覚めていないシンバよりひと足早く、大人になったナラが持つ強さと愛情深さが、心の奥底まで伝わってくるナンバーです。
ジャングルの中で成長したシンバ。
自分のせいで父親が死んでしまった記憶を封印し、ティモン、プンバァと一緒に気楽な暮らしをしていましたが、心の中の"もやもや"は日々大きくなっていくばかりでした。
そんなある日、とある出来事をきっかけに、封印していたはずの忌まわしい記憶が蘇ります。そして、その日の夜、満点の星空を見上げていると、「歴代の王たちが、お前を見守っている」という父ムファサの言葉が脳裏をよぎり、シンバはますます感傷に浸ってしまいます。
しかし同時に、父の言葉を思い出せば出すほど、自分のあるべき姿を少しずつ取り戻してもいくのです。
偉大な王たちの意志を受け継ぐ者として、ゆっくりと再生のときを迎えたシンバの力強い歌声が劇場いっぱいに広がり、物語の大きなターニングポイントとなるナンバーです。
平和なはずのジャングルで、ティモンとプンバァがメスライオンに襲われた!シンバは救出に入りますが、そのとき襲ってきたメスライオンがナラだと気付き、ピンチから一転、懐かしい再会に喜びを分かち合います。
見つめ合う目と目は、幼き日々への懐かしみから、いつしか愛へと変わっていき――。
咲き乱れる草花の姿をしたアンサンブルたちが舞台をロマンチックに彩り、愛を確かめるようにシンバとナラの歌声がしっとりと交わっていきます。
『ライオンキング』の中でも最大のヒット曲となったこのナンバーは、作曲者であるエルトン・ジョンにソロ名義では初となるグラミー賞をもたらした名バラードです。
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