「どうして『ライオンキング』はすごいのか?」――日本演劇史上最速で上演回数10000回を突破、東京公演の無期限ロングラン(現在も継続中)など、数々の金字塔を打ち立て続ける『ライオンキング』の魅力をまとめてどーんとご紹介!
これさえ知っておけば、あなたも『ライオンキング』博士になれる!?
『ライオンキング』を初めて観る人は、アニメーション映画とはまったく異質なビジュアルに驚くことになるでしょう。
色彩豊かな舞台美術、象徴的なマスク、そして多彩な趣向を凝らした動物たちのパペット。
舞台芸術家ジュリー・テイモアの手によって、『ライオンキング』はアニメーションの再現にとどまらないまったく独創的な世界を築くことになりました。
彼女が取り入れたのは、アフリカの文化だけではありません。インドネシアの影絵や日本の文楽・歌舞伎など東洋のパフォーミングアーツの要素を取り入れ、それを独自の芸術の域にまで高めていきました。
四つの脚を四人の俳優が動かす巨大なゾウ、ゆっくりと威厳をたたえて竹馬で歩くキリン、優美なチーターはしなやかな女優が操り彼女の足はそのままチーターの後ろ足となる――
舞台の主役となる動物たちの表現には、ひとつひとつにその動物を表現するのに最適な手法が用いられています。
他にも、人形浄瑠璃にヒントを得たパペット、アフリカの民族衣裳をモチーフに仕上げられた衣裳の数々など、注目すべきポイントは数え切れません。そのすべてが、いうなれば“未知との遭遇”。
これまでのミュージカルの常識を覆す舞台が、そこには広がっているのです。
開幕して最初に流れるナンバー「サークル・オブ・ライフ」の冒頭では、なにやら聞き慣れない言葉が…。
まじないのようなこの言葉、アフリカ現地で使われている「ズールー語 」という言語です。
『ライオンキング』の劇中の台詞やナンバーの一部には、このズールー語をはじめ、複数のアフリカの言葉が使用され、アフリカの熱気と息遣いを私たちの体にダイレクトに伝えてくれます。
さらに、舞台版ではアニメーション版にはない楽曲8曲が追加。
アニメーション版で音楽を担当したエルトン・ジョンはもちろん、レボ・Mなどアフリカ出身のアーティストたちが楽曲を提供し、大地の鼓動を感じさせる迫力あるリズムを打ち鳴らします。その瞬間、劇場の空間は無限の広がりを得て、地平線まで見渡せるサバンナの大草原へと私たちを連れていってくれるのです。
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