5月6日(火・休)に開幕するミュージカル『キャッツ』仙台公演に向けて、四季芸術センター(横浜市青葉区)では稽古が進んでいます。静岡、広島から続く三都市公演のラストを飾る仙台公演を前に、改めて新鮮な気持ちで作品に取り組むカンパニー。台本の読み合わせ、立ち位置や動線、振付を確認するステージングを経て、4月中旬にはいくつかのシーンを区切って繰り返し演じる「小返し稽古」の段階へ。とある日、2幕の稽古が行われていました。
満月が輝く都会のゴミ捨て場。年に一度開かれる舞踏会に、24匹の個性豊かな猫たち"ジェリクルキャッツ"が集います。今宵、命の再生を許される最も純粋な一匹に選ばれようと、自らの生き様を高らかに謳(うた)い踊る猫たち。2幕は、長老猫・オールドデュトロノミーが"本当の幸せ"について語りかける厳かなナンバー「幸福の姿」とともに始まり、作品の核となるメッセージが改めて提示されます。

「(ペアで動く猫たちが)呼吸を合わせて、身体の動きが変わるところは、毎回自分の心の動きによって動かされてください。タイミングとして付けられたものではなく、自然体として見えるように。今もとても良いですが、2幕頭は、もっと深いところに向き合えるシーンです。"ただ一匹の猫に選ばれる"という目的のさらに向こう側に、何のために生きるのかという問いがあります。その根源的な問いと向き合うことに、各自トライしてみてください」と、レジデント・ディレクターを務める西尾健治が指示を送ります。
また、そこから続く劇場猫・アスパラガスによる劇中劇「グロールタイガー~海賊猫の最期」では、グロールタイガーを襲撃するシャム猫軍を演じるメンバーに対し、足の運びや剣の揺れ、旗の振り方などの動きに指導が入る一方、音楽部スタッフからはコーラスについてのアドバイスも。課題を細かく洗い出し、繰り返すことで、「劇中劇の精度が上がり、グロールタイガーのストーリーがはっきりと見えてきました」と西尾が言うように、さらにシーンが磨き上げられていきました。
カンパニーはここからさらに稽古を積み重ね、いよいよ仙台・東京エレクトロンホール宮城へ――劇場での最終調整に臨みます。
『キャッツ』仙台公演は、2025年5月6日(火・休)から8月20日(水)までの期間限定で東京エレクトロンホール宮城にて上演。現在、7月21日(月・祝)公演分までのチケットを販売中で、7月23日(水)~8月20日(水)公演分のチケットは5月11日(日)より「四季の会」会員先行予約、18日(日)より一般発売を開始いたします。
12年ぶりに杜の都・仙台に訪れる『キャッツ』を、どうぞお楽しみに!