3月29日(土)に全国ツアー公演が開幕するミュージカル『赤毛のアン』。先月には東京公演が盛況のうちに千秋楽を迎え、3月下旬、四季芸術センター(横浜市あざみ野)の稽古場には、再びカンパニーの姿がありました。
世界中で愛されるルーシー・M・モンゴメリーによる大ベストセラー小説を原作に、赤い髪と豊かな想像力を持つ少女・アンが、美しい自然と人々に囲まれて成長してゆく姿を爽やかに描くミュージカル。稽古場に集ったカンパニーは、初心に返り、台本と向き合います。
レジデント・ディレクターを務める荒木美保が「稽古場で台本に立ち戻り、全体的にブラッシュアップをかけて、パワーアップして全国へ参りましょう」と声をかけ、台本の「読み合わせ」稽古がスタート。
温かなオーバーチュアの音楽とコーラスが、愛すべき少女・アンの面影をたどると、稽古場に物語が紡ぎ出されていきます。

20世紀初頭のカナダ。プリンス・エドワード島の小さな村で暮らす年老いた兄妹マシューとマリラのもとに、孤児院からやってきた女の子、アン・シャーリー。本当は男の子が来るはずでしたが、二人は彼女を引き取ることにします。
空想とおしゃべりが大好きで、まっすぐな性格のアンは、家でも学校でもさまざまな事件を起こしてしまいます。でもその明るく前向きな姿はしだいに周囲を魅了し、最初はとまどっていた人々もアンのことが大好きになっていきます。
"腹心の友"となるダイアナや、アンについ意地悪をしてしまう学友ギルバート、アンたちに大切なことを教えてくれる教師ステイシー先生、うわさ好きだけれど世話焼きで憎めない村の人々。そして、誰よりも優しくアンを見守るマシューと、厳しくも常にアンを気に掛けるマリラ。大自然と人々の愛に囲まれ、心豊かに成長していくアンですが、やがて大きな試練の日がやってくるのでした。
稽古を見届けて荒木は「皆さんの中でアンの存在がすごく大きくなっているのを、冒頭のナンバーから感じました」とひとこと。「チームワークの良さも見えてきましたね」の声がけに、俳優たちから笑みがこぼれます。
「各自、自分の言葉に必然性をもって話せているか、今一度確認してください。相手から何かを受け取り、それに対する発想がまず生まれ、そして必要な言葉が生まれてくる。言おうと思うものが生まれるから話す。これをしっかり整理して、会話を言葉として届けることで、お客様を物語に巻き込めるはずです」
作品の感動を、全国のお客様へ余すことなく伝えるためのアドバイスを胸に刻み、カンパニーは引き続き稽古に励みます。
『赤毛のアン』全国公演は3月29日(土)に相模原・相模女子大学グリーンホール(相模原市文化会館)で開幕。関東エリアを皮切りに9月まで全国各地を巡り、その後は10月4日(土)から11月24日(月・休)まで京都公演が決定しています。
本家本元のカナダ人スタッフからも「世界で最高のアン!」と絶賛された舞台。モンゴメリー生誕150周年を迎え、12年ぶりに全国へ贈る感動作に、どうぞご期待ください。
全国公演では、ご来場いただいたお客様に限定でスマートフォン用壁紙をプレゼント!ご観劇の思い出に、ぜひご利用ください。