5月11日(日)、名古屋四季劇場にて開幕するミュージカル『ゴースト&レディ』名古屋公演。3月初旬、横浜・四季芸術センターにて、開幕に向けた稽古が始まりました。
藤田和日郎氏の人気コミックス「黒博物館 ゴーストアンドレディ」(2014~15年/講談社「モーニング」)を原作に、演出のスコット・シュワルツ氏(2016年劇団四季初演『ノートルダムの鐘』)をはじめ国内外の才気あふれるクリエイター陣が結集し、創作された本作。昨年5月に東京で初演を迎え、シアター・ゴーストのグレイと看護の道をひた走るフロー(フローレンス・ナイチンゲール)が紡ぐ永遠の絆の物語は深い感動を呼び、連日大きな拍手をいただきました。
稽古始めとなるこの日、稽古場には名古屋公演から新たに参加するメンバーを含むキャスト・スタッフが一堂に会します。

行われた「読み合わせ」稽古では、台詞や楽曲、そこに込められた思いを確認するかのように言葉が紡がれ、稽古場に作品の世界が広がります。
舞台は、19世紀。ロンドンのドルーリー・レーン劇場に棲むシアター・ゴーストのグレイのもとに、フローと名乗るひとりの令嬢が現れ、「私を殺してほしい」と懇願します。看護の道に進むことが使命と信じながらも、家族の反対に抗えず、生きる意味を見失い死を望む彼女の願いを、グレイは「絶望」の底に落ちた時に取り殺すことを条件に引き受けます。そしてふたりはクリミア戦争での傷病兵を収容するスクタリ陸軍野戦病院へ。そこで彼女たちを待っていたのは軍からの強い反発と劣悪な環境。逆境のなかでも、自らの理想に向かって突き進むフロー、そしてそんな彼女の情熱に魅せられるグレイ――いつしかふたりは不思議な絆で結ばれていきます。しかし、フローの活躍を疎ましく思うジョン・ホール軍医長官による魔の手が迫り......。
読み合わせを終えると稽古場は静かな感動に包まれ、名古屋公演に向けて第一歩として確かな手ごたえを感じる稽古初日となりました。
初演・東京で熱い反響をいただき、「2024年 ミュージカル・ベストテン(ミュージカル出版社発行・雑誌「ミュージカル」より)」にて作品部門第1位に選出された本作。 名古屋四季劇場では、5月11日(日)から8月31日(日)まで上演します。ふたつの孤独な魂が呼応して迎える奇跡の結末を、ぜひ劇場でご覧ください。