4月6日(日)、JR東日本四季劇場[秋](東京・竹芝)にて開幕する、海外新作ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。
2月初旬に始まった稽古が折り返し地点に差しかかった2月27日(木)、劇団四季の本拠地・横浜市あざみ野の四季芸術センターで、メディア関係者に向けた稽古場取材会が行われました。
公開されたのは、3つのシーン。まずは、1985年から1955年にタイムトラベルしたマーティが元の世界に戻るために、タイムマシンの発明者であり友人のドク・ブラウンに助けを求める場面。最初は取り合わないドクでしたが、未来からやってきたことを必死に説明するマーティの言葉がヒントとなり、1985年に帰す方法を導き出す――そのひらめきと喜びをドクが高らかに歌うナンバーです(「FUTURE BOY」)。

続いて、ドクが科学者の誇りや、夢を追いかけることの美しさを歌う「FOR THE DREAMERS」。
最後にはタイムトラベルしたマーティが訪れたダイナー(レストラン)で繰り広げられるナンバー「GOTTA START SOMEWHERE」。陽気なリズムに誘われて店員や町の人たちが奏でるコーラスは徐々に厚みを増し、ダイナミックなダンスが展開されると、メディアの方々から熱い拍手が送られました。

俳優たちにアドバイスを送る演出のジョン・ランド氏(左)、振付のクリス・ベイリー氏(中央)、音楽スーパーバイザー・編曲のニック・フィンロウ氏(右)
次に行われた合同インタビューには、演出のジョン・ランド氏、劇団四季 代表取締役・吉田智誉樹、そして出演候補キャストよりマーティ・マクフライ役の立崇なおと、笠松哲朗、ドク・ブラウン役の野中万寿夫、阿久津陽一郎が出席。稽古場の様子や、開幕への意気込み、作品への想いを熱く語りました。
翌週には稽古場での最終稽古を終え、舞台稽古へ。およそ1ヵ月後にせまる開幕に向けて、"乗車"準備は順調に整えられています。衝撃の舞台を、お見逃しなく!
今回、劇団四季の皆さんと初めてコラボレーションできることを大変光栄に感じており、稽古場では毎日ワクワクした日々を送っています。この作品は「家族の絆」が1つのテーマであり、時代を超えた物語性があるゆえに長く愛され続けていると感じています。ミュージカルにする上で、1950年代・80年代それぞれの時代性を音楽や振付にも反映しました。コメディー要素もあり、観た後には心が明るくなる作品だと思いますので、劇場で感情を共有しながら物語を体験していただければと思います。
日本でも性別・年齢問わず幅広く愛されている作品で、大きな力を持ったコンテンツです。原作映画には男性のファンも多いため、現在女性のお客様が多いミュージカル界にとっては、新しいお客様を招くチャンスになる作品だと捉えています。時を超える仕掛けやデロリアンはもちろん、登場人物それぞれが大きな祈りを持って未来に向かっていく姿にぜひ注目していただきたいと思います。
マーティ・マクフライ役 立崇なおと初めて観たのがいつなのか覚えていないくらい何度も観た映画で、国民全員に浸透している作品だと思います。映画にリスペクトをもちつつ、自分らしいマーティを目指して日々稽古しています。コメディーにも必死で挑戦しているところです。生オーケストラで上演されるので、あの音楽を目の前で聴いて歌えるということが僕自身も楽しみです。
マーティ・マクフライ役 笠松哲朗子どもの頃から何度も観ている作品で、舞台を通して「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の世界に入れることがとても楽しみです。マーティとしてドラマを生きることができる、旅路を楽しめることに喜びを感じています。 "ザ・ミュージカル"という要素も盛り込まれているので、舞台空間でしかできない表現やコメディー要素をお楽しみいただきたいです。
ドク・ブラウン役 野中万寿夫原作映画が上映されたのは20代の頃。青春時代を反映していて、励まされた映画だったので、それが舞台化すると聞いてとても驚きました。日々稽古を重ねていて、コメディーとは、笑わせるのではなく、必死に物語を生きる私たちをお客様が笑い飛ばすということなのではないかと感じています。ジョンさんを信じて稽古を重ねていますので、どうぞご期待ください。
ドク・ブラウン役 阿久津陽一郎高校生の時、新宿に映画シリーズを観に行き、とても楽しんだ記憶があります。ドクは自分の行動の先に未来があり、信念を貫くことで人生が切り拓かれていく、諦めないことで成功が近づくと信じている人物だと思います。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と言えば"デロリアン"。デロリアンとのやりとりも面白く仕上がっているので、楽しみにしてください。
(撮影:荒井 健、劇団四季)