東京・竹芝のSMBCグループミュージカルシアター JR東日本四季劇場[秋]にて、この春日本初演の幕を開けるミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。2月初旬、海外クリエイター陣を迎えて本格始動する「稽古始め」をついに迎えました。
「SF映画の金字塔」といわれ、1985年の初公開から40周年を迎える今も高い人気を誇る、大ヒット映画シリーズの第1作をもとに創作された本作は、2020年にイギリス・マンチェスター、2021年にはロンドン・ウェストエンドで開幕。英国演劇界で最も権威のあるローレンス・オリヴィエ賞にて最優秀新作ミュージカル賞に輝き、世界的に高い注目を集めています。
グローバルプロデューサーのコリン・イングラム氏、映画でも脚本を担当したボブ・ゲイル氏、演出を手掛けるジョン・ランド氏をはじめとするクリエイティブスタッフたち。来日を心待ちにしていた俳優・スタッフたちが控える稽古場では、彼らが登場すると熱い歓迎の拍手が。それに応えるようにジョン・ランド氏が、作中の台詞「Rock 'n' roll!(ロックンロール!)」で、遊び心あふれる声かけを。心温まる初対面となりました。
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まず行われたのは出演候補キャスト、関係者が一堂に会す「顔合わせ」。劇団四季代表取締役・吉田智誉樹が、本作への想いを語りました。
「いよいよ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』日本公演の本格的な準備が始まります。海外クリエイターの皆さんをお招きして開幕の準備ができることに、心からワクワクしております。私がこの作品を初めて観たときの驚きや高揚感は今でも本当に大切な記憶であり、忘れがたい素敵な思い出です。今日からの我々の仕事は、この舞台の素晴らしさを、私たちの精神と肉体を通して日本のお客様に楽しんでいただける形に仕上げ直していく、ということだと思います。今日から桜の季節まで、我々は戦いに挑みます。全員で力を合わせて頑張ってまいりましょう」という吉田の言葉に、俳優・スタッフたちが大きくうなずきます。
続いて、グローバルプロデューサーのコリン・イングラム氏と、台本/共同創作者のボブ・ゲイル氏から、日本公演への期待とカンパニーへの激励の言葉が送られました。
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グローバルプロデューサーのコリン・イングラム氏(左)、台本/共同創作者のボブ・ゲイル氏(右)
グローバルプロデューサー コリン・イングラム氏
ヒルバレーへようこそ!
この日本公演が、我々にとって初めての英語以外の言語で上演されるプロダクションです。吉田社長と劇団四季の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
そして、この日本公演が、今までの公演の中でもベストな『バック・トゥ・ザ・フューチャー』になることを確信しています。
舞台人として、私がいつも心に留めていることがあります。それは「お客様に光を与えること」。今、世の中や自分の人生で起きているつらいことや悲しいこと。それを束の間でも忘れられるような喜びを、お客様に感じていただける仕事をしているということを忘れずにいたいといつも思っています。そして俳優の皆さんには、ぜひ自分の演じるキャラクターを愛していただきたいと思っています。
台本/共同創作者 ボブ・ゲイル氏
この作品を信じてくださった吉田社長に心から感謝いたします。
さて、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」という作品が投げかけているのは「なぜ、今、自分はここにいるのか?」という疑問です。
どんな物語にも始まりがありますが、この作品の始まりは1980年の夏、ミズーリ州のセントルイスにある私の実家でした。父の高校の卒業アルバムの中にしまわれていた若かりし日の父の写真を見た時、こう思ったんです。もし父と同じ高校に通っていたとしたら、果たして自分は彼と友だちになれたのだろうかと。それが稲妻に打たれた瞬間でした。その日から「バック・トゥ・ザ・フューチャー」映画公開まで、決して平坦な道のりだったわけでありませんが、私はその経験から「自分の夢、自分がやっていることを信じてほしい」と皆さんにお伝えしたいと思います。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観にいらっしゃるお客様に、ぜひ「これは人生で最高の時間だ!」と思わせてください。
次に行われたのはジョン・ランド氏によるプレゼンテーション。舞台セットの模型やスライドを用いて、舞台機構や転換の説明がありました。ジョンさんの熱量の高いプレゼンテーションに、俳優たちも真剣な表情で見つめます。
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演出のジョン・ランド氏
ジョン・ランド氏によるプレゼンテーションで作品への理解を深めた後は、俳優たちが台本を最初から通して読む「読み合わせ」へ。舞台化にあたっては「The Power of Love」や「Johnny B. Goode」など、映画で使用された楽曲も引き続き使われており、印象的な映画のオーバーチュアも、そのメロディーが劇中で効果的に登場します。
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舞台は1985年、カリフォルニア州ヒルバレー。ロックスターに憧れる高校生のマーティ・マクフライが冴えない日々を過ごすある日、彼の友人である科学者の"ドク"ことエメット・ブラウン博士に呼び出され、デロリアンを改造したタイムマシンの実験を手伝うことに。しかし、あるアクシデントにより、思いがけず30年前の1955年のヒルバレーへタイムトラベルしてしまい......。
映画の魅力はそのままに、ミュージカルコメディーとして再構築された本作。音楽面では、登場人物たちの心情を歌う新たなナンバーも追加されています。台詞の掛け合いに笑い、ナンバーに心躍らせ、やがてクライマックスへ――ジョン・ランド氏の「ファンタスティック!」という言葉とともに、ここにはないもうひとりの主役・デロリアンを見送るかのような大きな拍手が稽古場を包みました。
演出 ジョン・ランド氏
(読み合わせを終えて)
皆さんがこの物語、そしてキャラクターたちにもたらしてくださったエネルギーを感じて、ロンドンで初めてワークショップをやった時に感じた興奮を思い出しました。本当に素晴らしいとしか言いようがありません。
この作品はマーティの物語でもあり、ドクの物語でもあり、マーティの両親の物語でもあります。色々な方向に物語が動いて、その瞬間瞬間に愛が存在している。稽古期間はその"愛"を見つけ出していく作業だと思っています。
この作品には完璧な人が一人も登場しません。皆どこか欠けている。だから面白いんです。皆さんはこの稽古期間でぜひ、それぞれ自分の演じる役のキャラクター性を深め、それをより鮮やかにするにはどうしたらいいか"発明(クリエイト)"していってください。そのために、私はいくらでもお手伝いをします。皆さんと『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を創っていけることに、今、とてもワクワクしています!
これからより自身の役柄を深め、そして作品を高めていくことへの想いを新たに、さらなる稽古に臨みます。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』東京公演は好評につき、初回販売分(4~9月公演分)の劇団四季取り扱い分前売りチケットは完売。この反響を受けて、現在、延長公演となる10月~2026年3月公演分の「四季の会」会員先行予約を受付中です。今週末の23日(日・祝)からはいよいよ一般発売がスタート。
時速88マイルで開幕へと向かう『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。運命のその日を、どうぞお楽しみに!
会場 | SMBCグループミュージカルシアター JR東日本四季劇場[秋] (東京・竹芝) |
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発売対象期間 | 10月1日(水)~2026年3月29日(日)公演分 |
発売日程 | 2月16日(日)午前10時 「四季の会」会員先行予約開始 2月23日(日・祝)午前10時 一般発売開始 |