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コラム

『赤毛のアン』東京公演に向けて――稽古が進んでいます

12月3日(火)に東京・自由劇場で開幕するミュージカル『赤毛のアン』。開幕に向けて10月下旬から始まった稽古は、台本の読み合わせ、ダンスシーンや芝居の動線を整えるステージング、シーンごとに区切った「小返し」稽古と着実に進行。11月上旬のある日には、初めて1、2幕を通してみる「荒通し」稽古が行われました。

ルーシー・M・モンゴメリーによる大ベストセラー小説を原作に、赤い髪と豊かな想像力を持つ少女、アン・シャーリーが、美しい自然と人々に囲まれて成長してゆく姿を爽やかに描くミュージカル。物語は20世紀初頭のカナダ、プリンス・エドワード島にある小さな村アヴォンリーの、美しくも素朴な風景の中で始まります。
開幕とともに優しく響きわたるのは、アヴォンリー村の人々によるコーラス。主人公・アンの面影をつづる歌がオーバーチュアの役割を果たし、物語の幕開けを飾ります。
孤児院からやってきた少女・アンが、持ち前の想像力でさまざまな事件を起こしながらも、やがて周囲を魅了し、村の人々のなかでかけがえのない存在となっていく――そんな物語を予感させる、重要な始まりの場面です。

稽古場写真

初めての通し稽古を見届けたあと、レジデント・ディレクターを務める荒木美保を始め、音楽やステージングを担当するスタッフが即座に課題箇所を洗い出し、まずは冒頭のこのシーンから、再び稽古に取り組みます。
「コーラスに入る前の表情にも、作品の柔らかい世界観が表れるよう意識してください。それぞれの役として、皆さんの中にアンがどのように存在しているかを、表情でも見せて。そこから、歌詞をひとつずつ積み上げていくイメージを持ってください」と荒木。歌詞にメロディを乗せずに台詞としてしゃべってみる、台本を見ながら歌ってみる、歌わずにオーケストラだけを聴いてみる、などの試行も経て、言葉と音楽のイメージを明確にしていきます。
音楽担当のスタッフからは、「ここの音楽をよく聴いてください。じんわりと温かいものが広がってきて、続くハープの音が物語のページをめくるように連なり、『その名は アン』という歌詞に向けてコード(和音)が変わる。歌詞の切り替わりと音楽がリンクしています。これから物語が始まる高揚感がオーケストラでも表現されているので、皆さんの歌がそれにリンクすることで、もっと素敵になるはずです」と指摘が。
「これからどんな物語が始まるのかという大事なところなので、柔らかく大切に、明るくお願いします。真剣になってくるとまた顔が怖くなるので、もっと笑って」という荒木の言葉に、笑みが広がる稽古場。
天真爛漫な子どもたちから、うわさ好きで世話焼きな大人たちまで、個性豊かな面々が登場するアヴォンリー村の人々のように、年代も経歴も様々なキャストが集うカンパニー。活発な意見交換やアドバイスが飛び交いながら、一丸となって作品を磨き上げる作業が続いています。

『赤毛のアン』東京公演は12月3日(火)から2025年2月16日(日)まで。
なお、好評につき、東京での追加4公演が決定。追加公演分のチケットは11月24日(日)より「四季の会」会員先行予約、12月1日(日)より一般発売を開始いたします。
また東京に続いて、2025年3月29日(土)から9月まで全国ツアー公演、10月4日(土)から11月24日(月・休)まで京都公演が決定しています。

モンゴメリー生誕150周年という記念すべき年に贈るミュージカル『赤毛のアン』。 人が人を思いやる心の温かさ、何気ない人生の中にある輝きを描く珠玉の舞台に、どうぞご期待ください。

(撮影:阿部章仁、樋口隆宏)

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