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コラム

『キャッツ』広島公演に向けて――稽古が始まりました

11月11日(月)に上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)で開幕するミュージカル『キャッツ』。先月好評のうちに千秋楽を迎えた静岡公演に続き、次なる広島公演に向けて、四季芸術センターには再びカンパニーが集い、本格的な稽古が始まりました。

キックオフとなる「稽古始め」。本作のレジデント・ディレクターを務める西尾健治からカンパニーへ向けて、「『キャッツ』は集団性が重要となる作品なので、テーブル稽古の間に皆で共通認識を持ち、新たな発見ができると良いなと思います。各々のイマジネーションを限りなく使って、ここを稽古場ではなく、猫たちが想像する世界に塗り替えていきましょう」と声をかけ、台本の「読み合わせ稽古」がスタート。
オーヴァーチュアが響きわたると、作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーによる珠玉の楽曲にのせて、都会のゴミ捨て場に集う個性豊かな猫たち――ジェリクルキャッツの生き様が稽古場に紡ぎ出されました。

稽古を終えると西尾からは、台詞や歌詞に込められた意味や、役としてそれを表現するためのアプローチについて語られます。
「冒頭の『ジェリクルソング』、歌詞に"ジェリクル"が何度も出てきますが、その瞬間ごとに言葉のイメージを新しく生み出してください。皆さんの中でもっとイメージをビジュアル化して。自分たち自身を超越していくような"発展性"を大切に。これは発展性に尽きるナンバーです」
「2幕頭の『幸福の姿』、オールドデュトロノミーのソロに続く全員の『メモリー』の歌唱"出会えるわ"の部分、この箇所にある精神的な切り替えは、全員にとって相当深いものであるはずです。それまで"現在"ばかりを見ていたグリザベラ以外の猫たちが、デュトロノミーの導きによって、初めて"過去"を顧みる瞬間。この場面の真実味は、皆さん自身が内面でこの心の動きを通っていけるかどうかに懸かっています。
例えば舞台人を志した瞬間のことでもいい。何か実体験に基づく実感を各々が持ってください。それが無ければ、ただナンバーを並べただけの作品になりかねない。『キャッツ』の演劇的要素が、ここにあります」
作品の哲学に触れる精神面からの指摘に、俳優たちは真剣な表情で聞き入り、各々の課題として取り組んでいきます。

『キャッツ』広島公演は、2025年2月23日(日・祝)までの期間限定。2月2日(日)公演分までのチケットを現在発売中で、11月10日(日)からは、2月5日(水)~千秋楽23日(日・祝)公演分チケットの「四季の会」会員先行予約が始まります(一般発売は11月16日(土)より)。また、広島公演のあとは、2025年5月6日(火・休)より仙台公演が決定しています。 11月11日――日本上演41周年という節目の日に開幕する広島公演。着実に歴史を刻みながらも進化を止めない『キャッツ』に、どうぞご期待ください。

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