7月17日（水）の『キャッツ』静岡公演開幕に向けて、四季芸術センター（横浜市あざみ野）では稽古が進んでいます。台本の読み合わせ、ステージングを経て、6月下旬にはいくつかのシーンに区切って繰り返す「小返し稽古」の段階へ。とある日、2幕を中心とした稽古が行われました。
1幕に続き、様々な個性あふれる猫たちの生き方が紹介される2幕では、さらにバリエーション豊かなダンスナンバーに、手に汗握る急展開も加わり、最も純粋なジェリクルキャッツが選ばれるクライマックスへ向けて、盛り上がりが加速します。
大がかりな舞台美術とともに魅せる、海賊猫・グロールタイガーの劇中劇。犯罪王と恐れられる神出鬼没の猫・マキャヴィティとの闘い。マジック猫・ミストフェリーズの活躍など......魅力的なシーンの数々のなかでも、大きな見せ場の一つである「スキンブルシャンクス～鉄道猫」。鉄道を愛し、寝台列車で献身的に働くスキンブルシャンクスを称える、ひたすら明るく楽しいナンバーです。
レジデント・ディレクターを務める坂田加奈子からは、「『車内の通路くまなく歩き お客の顔を見てまわる』のところ、本当にお客様のことを第一に考えて歩いてみて」とリクエストが。いったん歌唱から離れ、スキンブルシャンクス役の俳優に、乗客役の猫である俳優たち一人ひとりへ、車掌になりきって声がけをしてみてもらう試みも。乗客のために尽くす彼の働きぶりが具体的になり、その彼に向けられた皆の愛情が稽古場にあふれます。まっすぐな愛に満ちたナンバーの魅力が、さらに際立ったひと時となりました。
「小返し稽古」で研鑽を積んだカンパニーは、「通し稽古」を経て、いよいよ静岡市民文化会館へ。舞台での最終調整に臨みます。
『キャッツ』静岡公演は、7月17日（水）から9月23日（月・休）までの期間限定。約10年ぶりに静岡で上演される本作に、どうぞご期待ください。
