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コラム

『キャッツ』静岡公演に向けて――稽古が始まりました

7月17日(水)に静岡市民文化会館で開幕するミュージカル『キャッツ』。約10年ぶりとなる静岡での上演を皮切りに、広島、仙台と続く公演に向けて、四季芸術センター(横浜市あざみ野)では本格的な稽古が始まりました。

先月千秋楽を迎えた名古屋公演中には日本上演40周年という大きな節目を迎え、着実に歴史を刻みながらも進化を止めない『キャッツ』。
6月上旬には、これまで作品に携わってきたキャストの他、新役、または初めて本作に挑戦する顔ぶれも加えたカンパニーが稽古場に集い、キックオフとなる「稽古始め」が行われました。
稽古を前に、本作のレジデント・ディレクターを務める西尾健治から「ここに集まった皆さんは選ばれし者たちです。歌やダンスに長けているのは当然のこと、俳優は何よりも"想像力"を備えた存在。稽古初日は誰しも緊張すると思いますが、上手く歌おうとするのではなく、想像力を最大限に高めて、台本・譜面に書かれた言葉・音楽に身をゆだね、緊張をも武器にして、作品の世界観を全員でつくっていきましょう」と声をかけ、台本の「読み合わせ稽古」がスタート。
オーヴァーチュアが響きわたると、作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーによる珠玉の楽曲にのせて、都会のゴミ捨て場に集う個性豊かな猫たち――ジェリクルキャッツの生き様が稽古場に紡ぎ出されました。

稽古を見届けて、西尾が声をかけます。
「静岡に向けて作品をアップデートする良い機会なので、浅利(慶太)先生から受け継いだ演出に関する言葉も伝えながら、さらに深いところを目指したいと思います。冒頭の『ジェリクルソング』は、ソロを歌いつなぎながらバトンを渡していく曲ですが、ただ渡すのではなく、共感が共感を生む構成。一つひとつの言葉に実感を伴わせ、野生を選んだ猫たちの"孤独"をしっかり感じてください。曲中に何度も転調があることからもわかる通り、これは発展していく曲。振付が無い読み合わせ稽古の中で、どれだけ自分の精神を発展していけるか――。『キャッツ』は正解が無い作品です。皆でアイデアを持ち寄り、より良い作品にしていきましょう」
同じくレジデント・ディレクターを務める坂田加奈子は、
「久しぶりに台本に立ち返り、良かったなと思うのは、皆さんがひたすら誠実だったなと。ダンスや楽曲で展開していかなければならない部分が多い作品ではありますが、やはり言葉や思考が先行して発展していくからこそ、ドラマ性が生まれます。『ジェリクルソング』一曲の中でも様々な音楽的なバリエーションがありますが、思考の変化によって展開していくことが絶対に必要になると思うので、これからそれを固めていきましょう」と語り、俳優たちは真剣な表情でうなずきました。

『キャッツ』静岡公演は、9月23日(月・休)までの期間限定。9月8日(日)公演分までのチケットを現在発売中で、6月30日(日)からは、9月11日(水)~千秋楽23日(月・休)公演分チケットの「四季の会」会員先行予約が始まります(一般発売は7月7日(日)より)。
静岡で繰り広げられる猫たちの舞踏会――『キャッツ』に、どうぞご期待ください!

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