7月21日(日)に東京・自由劇場で開幕するファミリーミュージカル『ふたりのロッテ』。6月初旬、四季芸術センター(横浜市あざみ野)にて、開幕に向けた稽古が始まりました。
ドイツの小説家エーリッヒ・ケストナー作「ふたりのロッテ」は、「子どもに読ませたい児童文学100選」に選ばれ、映画やアニメでも親しまれている世界的名作です。劇団四季がファミリーミュージカルとして上演し、高い人気を誇ってきた本作は、1971年にニッセイ名作劇場として初演し、それ以来、内容のブラッシュアップを繰り返しながら、全国各地の子どもたちに愛されてきました。
物語の舞台はオーストリアのザルツブルグ。ケーニッヒ湖のほとりにある「子供の家」で夏休みを過ごしにやってきたロッテとルイーゼは、自分たちが両親の事情で離ればなれに暮らしている双子の姉妹であることに気づきます。ロッテとルイーゼは、再びパパとママと家族4人で一緒に暮らせるようにと、ある作戦を計画。ロッテはルイーゼに、ルイーゼはロッテになりすまし――はたして2人の願いはかなうのでしょうか。
稽古初日。四季での上演は約10年ぶりとあり、ほとんどのメンバーがこの作品に初参加となるフレッシュな顔ぶれが稽古場に集まります。
レジデントディレクターの荒木美保の合図で、台本と楽譜を最初から通す「読み合わせ稽古」が開始。俳優たちは少し緊張した表情を見せながらも、真剣な表情で台本に向かい、歌い語りました。
ドイツのミュンヘンに住むロッテと、オーストリアのウィーンに住むルイーゼ、そして「子供の家」に来た子どもたちが過ごした街や育った環境など、台本には書かれていない背景を知ることは、役を演じる上で重要なこと。そこで荒木は、「ミュンヘン組、ウィーン組に分かれてそれぞれの国や街について調べてください」と提案。俳優たちはグループごとに様々な資料と向き合いながら、自分が演じる役の背景を深く掘り下げていきます。また、「子供の家」があるザルツブルグは先生役の俳優たちが担当し、数日後には、発表会を実施。それぞれの街の歴史や教育、ファッション事情などを分かりやすく図解にしたり、クイズ形式で出題したり、意見が飛び交い合う活気に満ちた時間となりました。
『ふたりのロッテ』は7月21日(日)から8月25日(日)まで、東京・自由劇場にて上演。9月21日(土)からは全国ツアー公演がスタートします。
力を合わせて困難に立ち向かい、家族の絆をとりもどそうとする感動の物語を、どうぞお楽しみに!