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コラム

『ジーザス・クライスト=スーパースター』[エルサレム・バージョン]京都公演に向けて――稽古が行われています

先月、東京・自由劇場での公演を終えた『ジーザス・クライスト=スーパースター』[エルサレム・バージョン]。千秋楽から間もない4月上旬、次なる公演地・京都へ向けて、再び稽古場で研さんに励むカンパニーの姿がありました。
約ひと月半の東京公演を務め上げた俳優たちも、改めて新鮮な気持ちで作品と向き合い、時間の許す限り丁寧な稽古を進行。シーンを区切るたび、レジデント・ディレクターを務める荒木美保、ステージング担当の礒津ひろみが俳優たちのそばへ駆け寄り、個々や全体へ声をかけます。

圧政に苦しむユダヤの民の前に、すい星のごとく現れた青年ジーザス。彼を救世主と崇め熱狂する群衆が、大きなうねりとなって本作のドラマを動かします。群衆を演じるアンサンブルの動きは、振付やステージングとして定められた構図がありながらも、身体から湧き上がる役としての感情を軸に、個々の俳優に委ねられている部分も。
民衆がジーザスの奇跡を目の当たりにする冒頭「序曲」から続く一連のシーンでは、「せっかくの稽古期間なので、やり過ぎと思うくらいもっと挑戦して。肉体の隅々まで使い切って」「細かい動きにも芝居が宿ることで、物語がもっと見えるはず。さらに上を目指しましょう」と、稽古をけん引する荒木や礒津の声にも熱がこもります。

群衆がジーザスをたたえ熱狂する「ホサナ」では、「動きが身体に入っているからこそ、もう一度丁寧に」との指示が。
商人たちに祈りの場を占拠されたジーザスが怒りに我を忘れる「ジーザスの神殿」では、「同じ人が一人もいないように、自分なりの表現を追求してください。やるべきことはできているので、もっと突き抜けてみて」「一人ひとりの生命力があってこそ、場面の構図が生きてきます」と声がかかります。
また、シーンを通したあとに全員がピアノの周りに集まり、コーラスとリズムの確認を繰り返すなど、あらゆる要素を磨き上げるべく、全員が一丸となって取り組みます。

「劇団創立70周年記念公演と銘打たれた最後の演目。一人ひとりが今の劇団四季を体現する覚悟を持って臨んでください。この作品に関われているのは本当に光栄なこと。作品に負けないよう、毎日自分の限界を超えて、自分を高め続けてください」
稽古終盤に送られた荒木の言葉に、俳優たちは真剣な眼差しでうなずき、次の課題へと向かいました。

『ジーザス・クライスト=スーパースター』[エルサレム・バージョン]京都公演は4月20日(土)から6月2日(日)までの期間限定。その後は6月29日(土)から全国公演が予定されています。
劇団四季70年の原点として輝き続ける魂の舞台を、どうぞお見逃しなく。

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