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コラム

『オペラ座の怪人』横浜公演に向けて――稽古が進んでいます

4月23日(火)にKAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉にて開幕するミュージカル『オペラ座の怪人』。出演経験者から初参加のキャストまで顔ぶれ豊かなカンパニーは、音楽稽古や振付稽古、台本の読み合わせ、ステージングと着実に積み上げ、シーンを区切って繰り返す「小返し稽古」に入りました。

3月某日。1幕1場「オークション」のシーンから稽古が進められます。一連の"オペラ座の怪人"事件が決着を見て半世紀余りが過ぎた1905年のオペラ座で、ひっそりと競売にかけられていく劇場の品々。長い時間の経過を思わせ、どこか現実味を欠いたシーンとなるよう、一人ひとりの歩き方にまでこだわり、水中のようなゆっくりとした動きをつけていきます。
続いて一気に時が遡り、栄華を極めるオペラ座で演じられる劇中劇「ハンニバル」のリハーサルシーン。劇場の新しい支配人を歓迎すべく、プリマドンナのカルロッタが歌唱を披露すると、大道具が突然落下し、オペラ座の人々は"ファントム"(=怪人)の気配を恐れて逃げ惑います。

シーンを見届けて、レジデント・ディレクターを務める荒木美保が声をかけます。
「"ファントム"という言葉には、幻、おばけという意味があります。オペラ座の人々にとって、ファントムは実体の無い幻であるからこそ、より恐怖をかき立てる存在。ファントムの脅威に加えて、オペラが完成しない苛立ちやプレッシャーにも晒され、全員がギリギリの状態。新しく来た支配人に『君たちは少し頭がおかしいんじゃないのか』と言われる、極限の恐怖の状態をつくりましょう」
「ファントムは魔術師ではないけれど、音楽、建築などの才能に裏付けられた手段でオペラ座の人々を追い詰めている。けれど彼は、本当は哀しいほどに人間である、そのことが物語の最後に出てきます」
荒木の言葉を受け、登場人物たちの心理状態を明確に見せるべく、稽古が繰り返されました。

また、オーケストラによる生演奏でお届けする本公演のために、この日から指揮者が稽古に参加。稽古の合間には、ピアノと指揮者の周りにキャストが集まり、コーラスとオーケストラの音出しやニュアンスを合わせるための丁寧な確認が行われる場面もありました。

『オペラ座の怪人』横浜公演は、8月11日(日・祝)までの期間限定公演。公演日によっては空席わずかにつき、早めのご予約がおすすめです。
絢爛豪華なパリ・オペラ座が横浜の街に舞い降りる日を、どうぞお楽しみに。

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