2025年4月に日本初演の開幕が決定した海外新作ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。
1月下旬、劇団四季の本拠地・四季芸術センター(横浜市あざみ野)では、出演候補者オーディションの本選が行われました。
本作は、「SF映画の金字塔」として世界中から愛され続ける名作映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作の内、1985年公開のシリーズ第1作を基に創作されたミュージカル。
カリフォルニア州ヒルバレーに住む高校生マーティ・マクフライが、友人で変わり者の科学者ドクことエメット・ブラウンが発明したタイムマシンで1985年から1955年にタイムトラベルする物語。
ミュージカル版の脚本は、ロバート・ゼメキス監督とともに映画版の脚本を手掛けたボブ・ゲイル氏が担当。音楽も、映画でおなじみのテーマ曲をはじめ「The Power of Love」「Johnny B. Goode」を引き続き起用。観客の胸を躍らせます。
熱い注目が集まるオーディションには、劇団内から約390名が参加し、予選を通過した約200名が本選に臨みました。
審査員として来日した演出のジョン・ランド氏、筆頭プロデューサーのコリン・イングラム氏、音楽スーパーバイザーのニック・フィンロウ氏、振付のクリス・ベイリー氏らが見守る中、課題に取り組んできた俳優たちが全身全霊でパフォーマンスします。
ロックスターに憧れるマーティ・マクフライ役の課題曲の一つは、映画にも登場する「The Power of Love」。ロックで難易度の高い高音域の楽曲に、受験者たちが挑みます。台詞審査では、マーティが過去にタイムトラベルし、若きドクに助けを求めるシーンを。演出のジョンさんは審査員席から立ち上がって俳優に直接アプローチ。場面の背景を細かく解説しながら、「未来から来たことをドクに信じてもらえない。でもどうしてもすぐに元の時代に帰りたい。もっと必死な想いがあるはず」と芝居の方向性を導きます。
映画よりもさらにコミカルなキャラクターに昇華されたエメット・ブラウン博士(ドク)役のオーディション。タイムマシンの発明に至った経緯をマーティに説明する台詞審査では、コミカルな表現のなかに、俳優たちの個性とアイディアが光ります。演技を見つめる審査員からは、笑いが起こるひと幕も。一方、科学者たちの夢や情熱、祈りを吐露するナンバー「For the Dreamers」では、ユーモラスな人柄から一転、"人類の進歩を夢見る生粋の科学者"を垣間見せました。
1985年と1955年、2つの時代が描かれる本作では、振付にも忠実に時代考証が重ねられ、実際に各年代で流行したダンスが取り入れられます。
審査は一人ひとりのダンススキルを確認するソロダンスに加え、ペアダンスも実施。高校で催されるダンスパーティーの振付を課題に、振付家のクリスさんがワークショップ形式で進行。アドバイスを送りながら俳優たちの実力を引き出します。50年代のスウィングダンスやリフトなど、難易度の高い技に最初こそ悪戦苦闘するも、次第にコツをつかんでいく受験者たち。限られた時間の中で、2人で息を合わせて審査に挑みました。
濃密なオーディションを経て、海外新作ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』日本初演の舞台に立つのは果たして誰なのか――。
劇団四季が新たに挑むエンターテインメント超大作を、どうぞお楽しみに!
公演期間 | 2025年4月開幕 ロングラン上演 |
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会場 | JR東日本四季劇場[秋](東京・竹芝) |
チケット発売 | 2024年12月(予定) |