5月6日（月・休）に開幕する最新ミュージカル『ゴースト＆レディ』（JR東日本四季劇場［秋］）。

2月上旬、台本の読み合わせから始まった稽古。中旬には 各シーンやナンバーについて登場人物の動線の整理をしたり、振付を行ったりする「ステージング稽古」が行われていました。

時は19世紀。ドルーリー・レーン劇場に出没する芝居好きのゴースト・グレイの前に現れたのは、一人の令嬢・フロー（フローレンス・ナイチンゲール）。看護の道に強い使命感を抱くも両親の激しい反対にあい、生きる意味を見失いかけていた彼女は、グレイに"自分を殺してほしい"と懇願します。最初は拒んだグレイですが、"絶望の底まで落ちたら殺す"という条件で彼女の願いを引き受けることに。
死を覚悟したことでフローは信念をつらぬく決意をし、グレイとともにクリミアの野戦病院へ赴くことになるのですが――。

ある日の稽古で行われていたのは、物語の一幕、フローが看護団とともに戦場のクリミアへ向かうシーン。それぞれの背景を持つ看護婦たち がフローのもとに集まり、団結し、前に進もうと強い意志に満ちたナンバーです 。

演出のスコット・シュワルツさんの指示で、はじめに台本の読み合わせを実施。その後、改めて演出プランについて、具体的な言葉で俳優たちに伝えられると、振付のチェイス・ブロックさんも加わり、ふたりが描いた場面のイメージが形づくられていきました。

グレイ役の俳優にステージングを行う演出のスコット・シュワルツさん（左）

ナンバーの前半、フローのもとに看護婦たちが集まってくる場面では「この二人は『初めまして』だからまず挨拶をしよう」「故郷や家族から離れて発つことに心残りや不安がある人もいるはず」など、アンサンブルが演じる看護婦一人ひとりの物語を動きで表現します。
また、後半部分の振付では、スカートを掴みたくし上げるような動作が。これは、「看護婦という仕事をやろうとする決意」。体を横に揺らす動きが与えられると、「海原を突き進む船が揺れている」など、一つひとつの動作の意味を俳優たちに共有します。
するとリアリティが増し、よりドラマティックなシーンに。

振付のチェイス・ブロックさん（右）

一方、別の稽古場では、イリュージョンを担当するクリス・フィッシャーさんの検証作業が行われていました。ゴースト・グレイを中心に、本作のファンタジックな世界観を作り上げる大切な要素の一つが、これらイリュージョンです。
音や照明、特殊効果が融合することで、不思議な現象が――。どんなことが起こるのかは、どうぞ劇場でお確かめください。

イリュージョンを担当するクリス・フィッシャーさん

ゴーストのグレイとデオンを演じる俳優は、擬闘（劇中に行う格闘や斬り合い）にも挑戦。 栗原直樹さんの指導のもと、迫力ある決闘シーンが創られていきます。

擬闘稽古の様子

2月下旬には、一幕のステージングを通しで確認する「荒通し」も。
スピーディーな展開で、観ている人を物語の世界に巻き込んでいきます。遊び心ある演出やコミカルな演技に、稽古場が笑いに包まれることも。
初めての荒通し稽古を終えると、スコットさんは「ヨクデキマシター！」と日本語で俳優とスタッフを賞賛。
「ブラッシュアップしたいところはもちろんありますが、今日、あらためて"いいものになる"という確信を持ちました。まだまだ時間はあるので、課題はクリアできると思います。まずは前に進みましょう！」

ステージング稽古を通して、少しずつその輪郭が見えてきた新作ミュージカル『ゴースト＆レディ』。5月の開幕まで、カンパニーの挑戦は続きます。

『ゴースト＆レディ』東京公演は、現在5～8月公演分を発売中。
また、好評につき、早くも9月以降公演の発売日が決定いたしました。11月11日（月）千秋楽公演は、「四季の会」会員を対象とした事前抽選販売を実施。
劇団四季が新たに贈る命と絆の超大作に、どうぞご期待ください。

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