最新ミュージカル『ゴースト＆レディ』の稽古が始まりました

5月6日（月・休）に開幕する最新ミュージカル『ゴースト＆レディ』東京公演（JR東日本四季劇場［秋］）。 2月上旬、四季芸術センター（横浜市あざみ野）にて、稽古始めを迎えました。

ひと足早く集まった俳優たちからは新作の稽古がいよいよはじまるという高揚感がみなぎり、稽古場は熱気で満たされていました。そこへ演出のスコット・シュワルツさんはじめクリエイティブスタッフの面々が満を持して姿を現すと、割れんばかりの歓迎の拍手が。ついに、創作が本格化します。

演出のスコット・シュワルツさん

まず行われたのは出演候補キャスト、関係者が一堂に会した顔合わせ。
劇団四季代表取締役社長の吉田智誉樹は、この創作への喜びを語りました。
「『ゴースト&レディ』"世界初演"の稽古が始まります。今あえて"世界初演"と仰々しく紹介させていただいたのは、今回のプロジェクトには世界で活躍されているクリエイターの方々にご参加いただいているからです。私は、今日からのここでの3ヵ月間が、後世のひとたち、日本のみならず世界の方々が、『あの作品は2024年の春、日本で創られたんだ』と、伝説的に語られるようになることを半ば本気で夢想しています。そのためには今日からの日々をここにいる全員が一致団結をして真に創造的なものにしなくてはいけません」。熱を込めた吉田の言葉に参加者たちは大きくうなずきます。

次に行われたのは、スコットさんによる作品のプレゼンテーション。カンパニーの面々を前にスコットさんはこう語りかけます。
「ようこそ『ゴースト&レディ』の世界へ。私たちがこれから一緒に創るのは"あたらしいミュージカル"です。これからとても大切な、宝物のような体験をすることになります。一生懸命頑張りますので、みなさんにも自分自身を100パーセントこのプロセスに込めていただく必要があります。時には、うまくいかないこともあるでしょう。暗い、怖い、明かりが消えている劇場の舞台に立っているのと同じかもしれない。そして私たちが手に持っているのはたったひとつの小さなオイルランプ。でも力を合わせて支え合えれば、そして私たちのクリエイティビティの灯りをしっかりと灯すことができれば、きらきらと輝くものを生み出すことができると思ってます」。物語の主人公の一人、ナイチンゲールを象徴するアイテム、オイルランプを織り交ぜた力強いスコットさんの言葉が参加者の胸に響きます。

スコットさんと装置デザインの松井るみさんによるプレゼンテーションを受ける俳優たちの表情からは、おさえきれない"ワクワク"がにじみます。カンパニーが創作への気持ちをひとつに、いっそう強固なものにするには十分な、有意義な時間となりました。

期待と緊張感が高まる中、台本を最初から通して読む「読み合わせ」がスタート。
看護の道に使命感を抱き、信念を貫くフロー〈フローレンス・ナイチンゲール〉と、生前は決闘代理人として名を馳せた、芝居好きなゴーストのグレイ。ふたりが紡ぐ絆の奇跡を、史実を織り交ぜながら描く美しい物語とその結末に、稽古場は静まり返り――終了後は、静かな感動とともに、大きな拍手が稽古場を包みました。