劇団四季の拠点・四季芸術センター内の稽古場のなかで最大面積をもつC稽古場。
『ジーザス・クライスト=スーパースター』[エルサレム・バージョン]東京公演の開幕に向けて連日稽古が行われているこの場所に、1月半ば、本作の舞台美術である急こう配の荒野が出現。
実際の舞台とより近い条件で、小返し稽古が行われていました。
稽古は、昨年上演された[ジャポネスク・バージョン]に続いて[エルサレム・バージョン]に臨む出演経験者と、今回の公演で初参加となる新メンバーの大きく2班にわかれて進行。
シーンごとに区切りながら芝居や振付、音楽を細かく点検し、それぞれの技術を高めていく小返し稽古では、レジデント・ディレクターを務める荒木美保、ステージングを指導する礒津ひろみが中心となり、俳優一人ひとりに言葉をかけます。
幕開き、「序曲」――圧政に苦しむ民衆たちの目の前に現れた、青年・ジーザス。数々の奇跡を起こし、新しい教えを説く彼の言葉に民衆たちが熱狂し、「神の子」とたたえる場面です。
荒木は、民衆たちがジーザスに従っていく心の変様を、「ていねいに作って」と声をかけます。
「"無"から"有"が生まれて、ジーザスという光のような存在に集まっていく。自我が宿った民衆がジーザスの奇跡を目撃して、『この人が救い主だ』と確信して彼に従っていく......。この段階を明確に。
男性は期待と希望に満ちあふれて言葉を発して。女性はジーザスと一緒にいる安らぎの中にいてください」
また、出演経験者と新メンバーが交代しながら同じ場面を稽古していくことで、同役を務める俳優同士が互いに高め合う様子も。一つの場面が終わるごとに新メンバーが経験者のもとへ駆け寄り、質問を投げかけては、受けたアドバイスを反芻(はんすう)して整理します。
一方で、出演経験者は"鮮な交流"のヒントを探るように、新メンバーから醸し出されるフレッシュな演技を見つめていました。
『ジーザス・クライスト=スーパースター』[エルサレム・バージョン]東京公演は、2月16日(金)に開幕。東京公演のチケットは好評につき完売していますが、4月20日(土)に開幕する京都公演のチケットは現在発売中です(※)。
劇団創立70周年記念公演として贈る、『ジーザス・クライスト=スーパースター』。 時を経ても輝き続ける魂の舞台を、ぜひご覧ください。
※『ジーザス・クライスト=スーパースター』[エルサレム・バージョン]東京公演につきまして、劇団四季取り扱い分の前売りチケットは完売いたしました。ただし、劇団四季が提供する「チケット出品サービス」により、今後、予約済みのチケットが出品される場合がございます。
(撮影:上原タカシ、阿部章仁)