12月10日(日)に大阪四季劇場で開幕する劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』。大阪公演に向けて、四季芸術センター(横浜市あざみ野)では稽古が始まっています。
10月。今回初めて参加する俳優を中心に、本格的な稽古開始に向けた準備期間となる「プレ稽古」がスタート。楽曲ごとに歌唱の精度を高めるコーラス稽古や、ダンスシーンの複雑な動線や振付を身体に入れ込む振り写し稽古、そしてバケモノたちの決闘シーンで登場するパペット「ビーストモード」の操作を確認するパペット稽古などが行われました。
稽古場では、東京初演時の出演経験者らが、新メンバーへ積極的にアドバイスを送る様子も。その姿は、劇中でバケモノの街"渋天街"にやってきたばかりの少年・蓮をサポートする住人たちとも重なり、真摯な熱意に満ちています。
そして迎えた「稽古始め」の日。出演候補キャスト、社内外のクリエイティブスタッフが一堂に会します。
稽古開始を前に、演出・青木豪さんから、「この作品の創作時、キャスト・スタッフが風通し良く意見を交えてやってきたからこそ、初演を成し遂げることができました。今回もみんなで忌憚(きたん)ない意見を出し合いつつ、作品を進化させて、"長く続く芝居作り"をしていきましょう」と言葉がかけられました。
心躍るオーバーチュアの音楽とともに、台本の読み合せ稽古が開始。
渋谷の雑踏で偶然バケモノの熊徹と出会った9歳の少年・蓮。孤独に生きてきた彼は強さを求めて熊徹に弟子入りし、九太と名付けられます。ことあるごとにぶつかり合う熊徹と蓮ですが、修行の日々を重ねるうち、本当の親子のような絆が芽生え始めます。しかし、やがて17歳に成長した蓮は、人間とバケモノのあいだで「自分は何者か」と思い悩み――。
色とりどりの楽曲とともに紡がれる、絆と成長の物語が、稽古場のなかで鮮やかに立ち上がりました。
大阪に向けて、新しい旅に踏み出した『バケモノの子』に、どうぞご期待ください。