ツアー最北の離島へ――「こころの劇場」『人間になりたがった猫』利尻公演レポート

現在、北海道を巡演中のファミリーミュージカル『人間になりたがった猫』全国公演。
8月21日（月）、ツアー最北端の地、北海道・利尻島で児童招待公演「こころの劇場」が行われました。

日本全国の子どもたちを劇場に無料招待し、演劇の感動を届けるプロジェクトとして2008年に発足した「こころの劇場」プロジェクト。2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響を受け活動を休止していましたが、今年4月に再始動。『人間になりたがった猫』『ジョン万次郎の夢』『エルコスの祈り』の3作品を全国各地で上演し、合計約50万人の児童を招待する予定です。

18日（金）、『人間になりたがった猫』カンパニーは北海道・稚内に到着。フェリーに乗り継いで利尻島へ向かいます。実はこの前日に台風が接近し、キャスト・スタッフの移動が危ぶまれましたが、一夜明けて海も穏やかになり、無事に出港。利尻島・鴛泊港に着港すると、利尻町役場の皆様が横断幕を掲げて歓迎してくださいました。
カンパニーの中には初めて利尻島に降り立つメンバーも多く、町の皆様の温かいお出迎えと、その大自然の美しさに、心を躍らせます。

公演前日の20（日）、会場の「利尻町交流促進施設どんと」では舞台仕込みが始まり、スタッフたちは声を掛け合いながら設営。午後には俳優によるリハーサルも行われ、島の子どもたち迎えるための準備が着々と行われていきました。

公演当日の21日（月）。澄みわたる青空のもと、利尻町、利尻富士町、そして利尻島の北西約20kmに浮かぶ礼文島から、小学校1年生から高校3年生までの子どもたちが来場。
期待の眼差しが舞台に注がれるなか、開演を告げるファンファーレが鳴ると大きな拍手が会場を包みます。幕があくと、ライオネルの呼びかけに応じたり、スワガードとのコミカルなシーンでは笑い声をあげたり、夢中になって舞台を楽しむ子どもたち。ラストシーンを迎えると、客席は感動に包まれ、ひときわ大きな拍手が贈られます。
退場時には「面白かったです、また来てください！」と、子どもたちの笑顔があふれました。

公演の実現に尽力いただいた島の方々や、子どもたちの元気な姿に触れたカンパニーは、いただいた大きなエネルギーを胸に、9月10日（日）の千秋楽まで駆け抜けます。
これからも劇団四季は、一般財団法人舞台芸術センターとこの活動にご支援くださる企業・団体、行政の方々と手を携え、日本全国の子どもたちに感動を届けてまいります。

一般財団法人舞台芸術センター代表理事の喜田哲弘氏と劇団四季代表取締役社長の吉田智誉樹は、利尻町・上遠野浩志町長、利尻富士町・田村祥三町長、礼文町・小野徹町長を訪問し、コロナ禍においていただいたご支援のお礼と、公演再開をご報告いたしました。

利尻町・上遠野浩志町長
「舞台を拝見し、最後はほろっとしてしまいました。低学年の子どもたちにとっては、ミュージカルを観る初めての機会になりました。学校に帰ってから、きっとみんなであのテーマ曲を歌うと思いますよ」

利尻富士町・田村祥三町長
「子どもたちから『素晴らしかった』との感想が聞こえてきました。利尻町・利尻富士町・礼文町みんなで協力して参りますので、来年もぜひいらしてください。お持ちしています」

礼文町・小野徹町長
「前回、劇団四季の皆さんが来てくださったのが2019年8月。それ以来のミュージカルです。今日まで子どもたちはとても楽しみにしていました。これからも劇団四季をずっと応援しています」