7月下旬に横浜・KAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉での公演を終えたミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』。続く8月26日(土)より開幕する全国ツアー公演に向けて、横浜市あざみ野の四季芸術センターでは、稽古が再開されました。
8月中旬には、通し稽古を実施。開始前、俳優たちはタップの振付を入念に確認しながら集中力を高めます。やがてガーシュウィン兄弟による名曲が詰め込まれたオーバーチュアが鳴り響き、通し稽古はスタート。
舞台は1930年代、ニューヨーク。銀行の跡取り息子、ボビーは仕事よりもダンスに夢中。銀行家の母の命令で、ネバダ州のデッドロックに赴いたボビーは、差し押さえるはずの劇場の一人娘・ポリーに一目惚れしてしまいます。西部の田舎町にとんでもない恋の嵐が吹き荒れることに――。
珠玉のガーシュウィンの楽曲の数々、心躍るタップをはじめとした多彩なダンス、そして笑いあふれる展開に稽古場の熱量は上がっていきます。幸せあふれたフィナーレを迎えると、稽古を見守っていた関係者から歓声とともに、温かい拍手が送られました。
通し稽古を見守ったレジデントディレクター・布施陽由から「今回の稽古で言葉やリアリティを追求してきました。今日の通し稽古を観て、それらがていねいに深められ、言葉を確実に語るという意識が高くなってきたと感じます。これからの課題は、ここまで整理してきた部分は着実に押さえつつ、役の衝動や勢いをつけて思い切ってやってみてください」と言葉が。俳優たちは表情を引き締め、力強くうなずきました。
カンパニーはこのあと、全国公演初日の会場・相模原女子大学グリーンホール(神奈川県)へ。劇場で最終調整に臨みます。
観るだけで幸せになれる、底抜けに明るいミュージカルを皆様にお楽しみいただける日はもうすぐ。どうぞご期待ください!