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コラム

『クレイジー・フォー・ユー』横浜公演に向けて――稽古が進んでいます

4月25日(火)にKAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉で開幕するミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』。
稽古は、台本の読み合わせ、動線を確認するステージング、場面ごとに区切って繰り返す小返しを経て、場面をまとめて通す段階へ。3月下旬には数日をかけて、2班のキャストが交代しながら1幕と2幕を通して行いました。

1幕の始まりは、華やかなショービジネスの街、ニューヨークから。銀行の跡取り息子でダンスに夢中なボビーが、母親の命令でネバダ州の寂れた劇場を差し押さえに向かい、そこで出会った娘、ポリーに一目惚れ。しかし、あろうことかポリーは、ボビーが差し押さえに来た劇場のオーナーの娘。あえなく振られたボビーは、ブロードウェイの大物プロデューサー、ベラ・ザングラーになりすまし、ショーを上演することで劇場を救おうと思いつきます。ところが皮肉なことに、ポリーは、ボビーが変装した偽物のザングラーに心を寄せ始めてしまい――。

ショーのためにボビーが連れてきたブロードウェイの踊り子たちの手ほどきを受け、即席のダンサーに仕立てられた町の怠け者カウボーイたち。彼らが始めはぎこちなくも、一台のベースのリズムをきっかけに表情を一変、身体の奥に眠っていた衝動を爆発させスウィングする「Slap That BASS」。
やっとの思いでつくり上げたショーの初日。思いも寄らぬ結果に打ちのめされたボビー扮するザングラーを、ポリーを始めとする町の人々が懸命に励まし、やがて盛大なショーさながらに活気を取り戻す「I Got Rhythm」。
ビッグナンバーが畳みかける1幕を終えると、レジデント・ディレクターを務める布施陽由から、「初めて通してみましたが、とても集中力があって良かったです」と声がかかります。
同じくレジデント・ディレクターを担う西尾健治からは、様々な小道具が登場するナンバー「I Got Rhythm」について、「町の人たちが生まれ変わり、一瞬ごとにその"生きがい"の密度が濃くなっていくシーン。彼らが持ち出す生活道具一つひとつを活き活きと見せ、リズムをはっきりと刻むことで、さらに躍動感が出るはずです」と、小道具の扱いひとつにも神経を行き届かせるよう、アドバイスが。

2幕では、町に本物のザングラーが現れ、ボビーやポリーと鉢合わせたことにより、ボビーの一途な恋が波乱の事態に――物語がさらに動き出します。
レジデント・ディレクターたちからは、「良い緊張感もありながら、物語がどんどん動いていくのをしっかりと感じ取れました」としつつ、一つひとつの台詞や歌詞、動きの中に込められた意味やプロセスを明瞭にしていくためのアドバイスが続きます。
作品の要であるガーシュウィン音楽の魅力を最大限引き出すべく、コーラスに耳を研ぎ澄ませる音楽担当のスタッフからも、「やるたびに良くなっています。音楽の中でも、登場人物たちの心の動きがよく見えました。来週からの通し稽古でもこの感覚を忘れずにお願いします」と、カンパニーを鼓舞する声がかかりました。

開幕までひと月を切り、いよいよ大詰めを迎える稽古場。幸せいっぱいのミュージカル・コメディが横浜の街に舞い降りる日を、どうぞお楽しみに!

横浜公演イベント情報

ご観劇とあわせて、ぜひお楽しみください(参加申込は4月17日(月)10時から)。

(撮影:下坂敦俊、荒井 健)

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