来月30日(土)に開幕を控えた、最新オリジナルミュージカル『バケモノの子』(JR東日本四季劇場[秋])。
本日3月22日(火)、横浜市あざみ野・四季芸術センターにて、メディア関係者に向けた稽古場取材会が行われました。
2015年公開の細田守監督によるアニメーション映画「バケモノの子」を原作に、劇団四季史上、最大規模で創作する新作オリジナルミュージカル。
細田監督の拠点であるスタジオ地図作品のミュージカル化は本作が初。この『バケモノの子』で、四季は国産ミュージカルとして最大級の長期公演に挑みます。
外部のメディア関係者に稽古の様子が公開されるのは、この日が初めて。
1幕冒頭、祝祭感あふれるオーバーチュアから始まり、バケモノの世界・渋天街を治める宗師が、バケモノたちの前で次期宗師の跡目を決めることを宣言。候補者である熊徹と猪王山が登場し、盛り上がりが最高潮に達するナンバー「その日がくる」のほか、熊徹に弟子入りすることを決めた人間の少年・蓮が、バケモノたちに修行の"イロハ"を教わり奮闘する、とびきり楽しく賑やかなナンバー「修行」などが披露されました。
稽古の後に行われた合同インタビューには、脚本・歌詞の高橋知伽江さん、演出の青木豪さん、劇団四季代表取締役社長・吉田智誉樹、そして熊徹役の田中彰孝、伊藤潤一郎が出席。
メディア関係者からは、開幕に期待を寄せるように積極的な質問が寄せられ、登壇者からは、開幕に向けた意気込みが語られました。
『バケモノの子』東京公演は、9月30日(金)までの公演チケットを発売中。
人間とバケモノの親子が絆を育み、「自分は何者か」という問いに対峙しながら共に成長していく希望の物語に、どうぞご期待ください。
◆高橋知伽江(脚本・歌詞)
脚本を手掛けるにあたり、ミュージカルならではのエンターテインメント性を意識的に取り入れました。例えば、ダンスの要素を盛り込んだ主人公 蓮(九太)の修行の場面は、その一つです。また、人間に生まれ、バケモノに育てられた「バケモノの子」は、蓮ひとりではありません。もう一人の「バケモノの子」にも焦点が当てられたストーリーになっていると思います。熊徹が歌うテーマ曲は、お帰りに、絶対に口ずさんでいただけると思っています。
◆青木 豪(演出)
演出にあたっては、アニメーションで緻密に描かれているこの原作を、いかに演劇的なかたちで、お客様の想像力に訴えかけ、作品の世界観を創っていくべきかを考えました。また、キャラクターの感情の高まりなどは、歌が担うわけですが、そうした場面をいかにして視覚化し、お届けするかという点についても意識しています。
この作品のテーマの一つは、「人を育てるのは、一人ではない」ということ。ミュージカル『バケモノの子』が、お客様に生きる喜びを届け、心の拠りどころとなる舞台になることを願っています。
◆吉田智誉樹(劇団四季代表取締役社長)
スタジオ地図の代表作のひとつ「バケモノの子」は、異種族間で育まれる「親子」の成長が描かれます。互いの関係性を深めていく過程も見どころの一つで、「人生は生きるに値する」という思いのこもった劇団四季作品の系譜にふさわしい物語です。人間が住む渋谷の裏側に、バケモノの異界「渋天街」があるのも、日本人には親しみやすい構造でしょう。ぜひ多くのお客様に観ていただけたらと願っています。
◆田中彰孝(熊徹役候補)
舞台化が発表されたその日に映画「バケモノの子」を見て、自分の俳優人生において、次に挑戦すべき役に出会えたという感覚がありました。父親なのか、師匠なのか、ライバルなのか――自身の経験と内面を探りながら熊徹役に向き合っています。性別・年齢問わず、いろいろなことを感じていただける作品です。細田守監督が作品に込めた思い、そして生の舞台で演じることの醍醐味をお届けできるよう、毎回新鮮な気持ちで挑みたいと思います。
◆伊藤潤一郎(熊徹役候補)
皆から好かれる熊徹というキャラクターを演じられることに、とてもワクワクしています。「原作のこのシーンはどう表現するのだろう」と思った部分が、脚本をいただいたときにすべて含まれていて、「全部やるぞ」という意気込みが詰まっているのを感じました。その意気込み通りのものが今、出来上がりつつあります。人生に及び腰になっている方を、後ろから励まし押すことができる作品となるように、力を尽くしたいと思います。
(撮影:阿部章仁)