4月30日(土)の開幕に向けて、いよいよ今月から本格的な稽古が始まる、最新ミュージカル『バケモノの子』。稽古場で着々と進められている準備の様子をお届けします。
擬闘ワークショップ
昨年11月――稽古開始に先駆けること約2ヵ月前、稽古場には熊徹、蓮(九太)、猪王山、一郎彦の出演候補キャストらの姿がありました。
「人間の少年が、最強のバケモノに弟子入りする」物語である本作において、重要な要素のひとつである武術。そこで、演劇や映画などにおける斬り合いや格闘などの演技、振付を意味する"擬闘"のワークショップが行われたのです。
「振付として"やらされている"という意識があると嘘になってしまう。役としてどうしてその動きを"選択"したのか、常に考えながら演じてほしい」と語る栗原さんの言葉に、真剣な表情でうなずき、実践を繰り返す俳優たち。一瞬の動作の中に込められた技術を体得しようと奮闘します。
リーディングワークショップ
続く11月末に行われたのは、リーディングワークショップ。歌唱を含めた台本の読み合わせを行い、全体の流れを確認することが目的です。リーディングは以前にも行われましたが、歌付き、そして出演候補キャストが行うのは今回が初めて。
人間の少年・蓮とバケモノ界の荒くれ者・熊徹が出会い、ぶつかり合いながらも次第に心を通わせ、本当の親子のような絆を紡いでいくさまが、脚本の高橋知伽江さんによる台詞、作曲の富貴晴美さんによるナンバーによってドラマチックに描かれます。
終了後はクリエイター陣により、課題点や変更点の打ち合わせが。稽古始めに向けて、脚本・楽曲のブラッシュアップを目指します。
プレ稽古
年が明けた1月、目前に迫る"稽古始め"の下準備として、歌、ダンス、そして少年時代の蓮(九太)を演じる子役たちによる擬闘などのプレ稽古が行われました。
歌稽古は個人稽古から始まり、やがてナンバーを歌う俳優同士を組み合わせながら進行。プレ稽古最終日には、アンサンブルを演じる俳優を中心に多くのメンバーが集まり、熊徹と猪王山の決闘に沸き立つ民衆たちによるナンバーや、映画で熊徹が発する台詞「胸の中の剣を握れ」をモチーフにしたナンバーを歌唱。
ブレスの位置や声量などのポイントをあわせ、課題を確認しながら、次第に壮大なハーモニーが響き渡ります。
一方ダンス稽古では、振付を手掛ける萩原隆匡がアンサンブルを演じる俳優たちへ「ヴォーグダンス」をレクチャー。ファッション雑誌「VOGUE(ヴォーグ)」に登場するモデルのポーズに由来したダンススタイルで、本作のワンシーンに取り入れられる予定です。
ハイテンポな音楽にのせた流麗なダンスを自分のものにしようと、何度もカウントを繰り返してはポーズを取る俳優たち。
さらに、大人の俳優たちに負けず劣らぬ気迫で拳をふるい、擬闘稽古に励むのは、蓮(九太)を演じる5人の子役たち。
「今は動きの速さではなく、言われていることを正確に、何をやっているか自分で理解してやることが大事」
擬闘指導にあたる栗原さんの言葉にうなずき、苦戦しながらも一生懸命に取り組む姿は、作中でバケモノの熊徹に闘い方を学ぶ九太の姿にも重なります。
いよいよ開幕に向けて走り始めたカンパニー。ウェブサイトでは今後も、白熱する創作の現場をレポートしていきます。どうぞお楽しみに!
『バケモノの子』は、現在チケットの事前抽選販売を受付中。本日21日(金)18時が締切です。発売初日は混雑が予想されるため、この機会をぜひご利用ください。
また、このあと1月29日(土)から「四季の会」会員先行予約がスタート(一般発売は2月5日(土)より)。
劇団四季が総力をあげて挑む最新ミュージカルに、どうぞご期待ください!