演劇の創作現場から――『恋におちたシェイクスピア』製作レポート【美術プラン編】

6月22日(金)に、東京・自由劇場で初演を迎える新作ストレートプレイ『恋におちたシェイクスピア』。
アカデミー賞7部門に輝いた同名映画をもとに、英国・ロンドンで舞台化されたこの台詞劇。四季版では、これまでにも多くの舞台演出・脚本を手掛けられている青木豪さんを演出に迎え、新作の舞台に挑みます。

美術プランの検討がはじまったのは、昨年の秋。「グローブ座をイメージしたデザイン」という、演出家・青木さんから指定されたテーマをもとに、技術スタッフらが模型や立面図を製作。複数の案がコンペに持ちよられました。
ロンドンに実在し、シェイクスピアの数多くの傑作が生み出された劇場「グローブ座」は、この作品においても物語の起点となる象徴的な場所。ここで主人公・ウィル(シェイクスピア)とヒロイン・ヴァイオラが出逢い、恋におち、『ロミオとジュリエット』が紡がれていきます。
デザインの意図や舞台転換の工夫まで、アイディアが詰まったプレゼンを経て、美術プランが決定。この後もおよそ半年にわたり、青木さんと各技術セクションのスタッフらの意見交換が重ねられ、アイディアを磨きながら具体的な形へと創り上げていきました。

本作の美術デザインを務めるスタッフ・高橋知子は、「舞台装置は実在のグローブ座と同じ3階建になります。舞台と客席に一体感のあるグローブ座。お客様にもその空気感をリアルに感じてほしい」と思いを込めます。そうした空気感の再現を意識しながらも、ほぼ木材だけで組み上げられるセットは、装飾など一切のむだを省き、美しく洗練されたデザインに。
「プレーンな舞台に照明が差し込み、俳優たちが芝居をし、物語を運んでいく。さらに、お客様の想像力によって彩ってもらえれば・・・」とも話します。

芝居をつくるよろこびに満ちた、四季の創作現場。
はたして、新作劇『恋におちたシェイクスピア』はどのような舞台に仕上がり、私たちを魅了してくれるのでしょうか。
開幕まで、これからも創作現場からお届けします。どうぞお楽しみに!

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※京都公演(2018年9月7日(金)~30日(日))では、現在、チケットの事前抽選販売を承っております。
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    昨年秋に行われた演出家・青木豪さん(左)へのコンペの様子。スタッフ・高橋知子(右)のプレゼンに、真剣に耳を傾けます

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    模型デザインを設計に落とし込むため、舞台監督や舞台装置スタッフら技術チームが意見を出し合い、形にしていきます

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    打ち合わせを経てプランはより具体的に。当初、セットは一杯飾り(一つの舞台セットで全場面をあらわすこと)の予定でしたが、一部が可動式に。どのような演出になるのかは、舞台を観てのお楽しみ!