６月２６日より東京・自由劇場で開幕する『エクウス』。いよいよ今月初旬から、劇団四季の拠点・四季芸術センター（横浜市あざみ野）で本格的な稽古が始まりました。

オーディションを経てキャストが選抜されてから稽古が始まるまでの約１ヵ月。この間俳優らは台本を読み込み、作品の知識を深めるための時間に充てていました。その一環として行われたのが、すでに当コーナーでご紹介した厩舎での掃除や乗馬体験。（＞＞出演候補者らによる馬小屋体験記事はこちら）

実はこの体験は、稽古を指揮するメンバーの一人、加藤敬二が指南したもの。１９９５年、加藤がアラン役を演じた時には北海道にある乗馬クラブに通い詰め、限りなく作品に近い体験をしたと言います。そしてその体験は、先輩から後輩へと伝わる慣わしのようなものに。
今回も加藤はアラン役・横井 漱とジル役・松山育恵を連れて北海道へ向かい、かつてお世話になった厩舎を訪ねました。横井と松山は３日間このクラブへ通い、小屋の掃除やブラッシングなど馬の世話に勤しみ、また乗馬では丘を抜けて海岸を走るほどの経験も。

浜辺を馬に乗って駆けるという体験はまさに劇中の場面そのもので、アランが６歳の時に初めて馬と出会い、その背中に乗せてもらった思い出の場所が、海岸。そしてそれは、彼が馬を深く愛し、しかしながら自らの手で残虐にも傷つけてしまうことになった事件の、すべての始まりの場所でもあるのです。

こうして役づくりのための貴重な経験を積んで、今、稽古に取り組む俳優たち。開幕まであと１ヵ月あまり。彼らの芝居への飽くなき挑戦は、さらに続きます。

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