時は15世紀。英仏百年戦争の末期に、祖国フランスを救ったものの火刑台に果てた
ジャンヌ・ダルク。この“伝説の少女”を、フランスを代表する現代劇作家ジャン・アヌイが、
一人の素朴で可憐な、しかし自らの強い意志を持って妥協を拒む少女として描いたのが『ひばり』です。
神の声を聞いた後、人間として苦しみながら自分の重い宿命を引き受け、
火刑台に散っていくジャンヌを通して、人間の儚さ、素晴らしさを見事に描ききりました。
1957年の初演で大きな評価を得て以来、劇団の節目となる年には必ず上演され、
「『ひばり』には劇団四季の歴史が刻み込まれている」と言われるまでになったこの作品。
劇団創立70周年の今こそ、四季の軌跡に刻まれた伝説的作品に挑みます。
自らの信じるところに従い火刑に処せられたジャンヌの清冽な叫びは、
今を生きる私たちの心にどのように響くでしょうか。
劇団四季の原点とも言える『ひばり』に、どうぞご期待ください。
15世紀初頭のフランス。英仏百年戦争の最中。
国土の大半をイギリスに奪われていたフランスが最後の砦と望みを賭けていた
オルレアンの土地も今や風前の灯火。
のどかな片田舎ドムレミーの村で羊の番をしていた少女ジャンヌは、
そんなある日神のお告げを聞きます。
「ジャンヌよ、フランス王を救いに行け。王国を取り戻せ」
……13歳のジャンヌにとってそれはあまりにも恐ろしい役目。
ジャンヌは必死に辞退しますが神は聞き入れず、
その小さな肩にフランス王国の運命を背負わせるのでした。
ジャンヌの不思議な魅力と強い信念は軍の隊長、そしてフランス王シャルル7世までをも魅了し、
彼女の率いる軍隊はオルレアンの町を解放して連戦連勝。
神の導きによってフランスの名誉を取り戻した少女は人々の賞賛を受けます。
しかしその栄光も束の間、彼女はイギリス軍の反撃を受けて捕らえられてしまうのでした。
宗教裁判の法廷に引き出されるジャンヌ。人間的愛情を否定する大審問官や
現実への妥協を勧める司教らの尋問に苛まれ、疲れ果てたジャンヌは一度は教会の裁きに服し、
死刑を免れる道を選ぶのですが――。
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