これは愛の物語。
誰にも引き裂くことのできない運命の愛は、
時空をも超える
時は古代、ファラオが支配する強大な王国エジプト。いにしえよりナイルの恵みを受けてきたこの国は、領土拡大をねらって隣国ヌビアに攻め入っていました。
ヌビア国侵攻の先頭に立つのは若き将軍ラダメス。破竹の勢いで勝利をおさめ、捕虜をともなって意気高らかに帰還します。
帰国の途上、ヌビア人捕虜の中のアイーダという女性が、大胆にも反乱を試み、ラダメスに抵抗します。実はこのアイーダこそ、身分を隠したヌビア王女だったのです。
アイーダの正体を知らないラダメスは、婚約者である王女にアイーダを侍女として献上します。ぜいたくに着飾った日々を送る王女アムネリスは、物怖じしないアイーダの態度に驚きますが、次第に侍女以上の信頼を寄せるようになるのでした。
ヌビア遠征の成功を祝う晩餐会の席上。エジプト王は娘アムネリスとラダメスとの結婚を7日後に行うと宣言します。王女との結婚はラダメスの将来を約束するものでしたが、冒険を愛するラダメスは言いようのない失望感を味わいます。
「自分の運命が気に入らないのなら、変えればいい」
落胆するラダメスに、アイーダは挑戦的な言葉を投げつけます。現在は捕虜の身の上でありながら、勇気を持ち気高さを失わないアイーダの言葉にラダメスは衝撃を受け、自らの過ちを認めます。アイーダもまたラダメスのいさぎよさに驚き、次第に二人は惹かれ始めます。
その頃、ヌビア人奴隷の間では王女アイーダに祖国再生を託そうという気運が高まっていました。固辞したものの、やがて指導者としての自覚に目覚めたアイーダは、指導者を象徴するローブとともに自らの運命を受け入ることを決意します。
一方、アイーダへの愛を自覚したラダメスは、新たな人生を送ろうと自らの財を人々に惜しげなく分け与えます。自らの思いに正直に生きようとするラダメスの姿を見て、アイーダもまた心を抑えきれず、二人は愛を確かめ合うのでした。
アイーダ、ラダメス、そしてアムネリス。敵国同士、それぞれの国を背負って立つ三人の愛を、運命が大きく押し流し始めます。
ラダメスとアムネリス二人の結婚の日が近づいてくるのですが…